snow flake〜罪な恋に落ちて〜

(…うーん…、ココのホストには専属のスタイリストがいるのかな…?)

そう、真剣に考えてしまう程働いてる人みんなお洒落だった。


ただ、椿は群を抜いていた。

加えて、整った顔立ちに大きな瞳。

紅い唇に白い肌。
少年ぽさの残る声とは対象的に意志の強そうな瞳からは自信が溢れ出る。

栗色の髪を外ハネにして、フワッとスプレーで盛った髪型は椿に良く似合ってる。


彼は自分に似合うものを良く分かっているんだろうな……




こんな事を考えながらも、ちゃんと会話も進めるのが、元夜の女。

同じ失敗は繰り返さない。


「姫は車好き?」
そう聞かれれば、

「大好き!夢は黒塗りのアリスト」
そう答えた。もちろん、大好きなのは事実。


「姫、料理とかはする?」
こう聞かれたら、

「うん。するよー、グラタンとかも得意」
こう答えた。得意なのは嘘じゃない。



「姫、彼氏は?」
聞かれると思わなかったけど、

「…ぁー、うん。いるよ」
正直に答えた。

何か言われるかな…なんて思い過ごしだった。

何も触れてこない椿の表情から一つも考えが読みとれなかった。

穏やかだった雰囲気が一瞬にして覚めていくような感覚。


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