snow flake〜罪な恋に落ちて〜


こんなにストレートだと、嫌だとは言えなかった。


待つだけと簡単に言うけれど、待つ事がどんなに辛いか私は知ってる。


小さな機械が唯一の繋がりで、

すがるように握って眠る事も良くあった。

椿にそんな想いをさせるかもしれない…

胸が苦しくなる。

私から連絡なんかするはずないのに。




「じゃあ、記念とゆー事で!!」


私は赤外線で自らのデータを送った。


彼の中に、私の存在が残る。



タイムリミットは確実に迫っていた。


別れの一言がどうしても言えない。

椿の提案で、握手をして別れる事になった。

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