あ
第1章
あ
「はるくーん!」
待ち合わせに30分も遅刻してしまったわたし。
「まこ、こっちこっち。」
なのに少しも怒らないで笑顔で手招きしてくれる。
「ごめんね。寒かったよね?」
今日はクリスマス。
寒くないはずがない。
「大丈夫だよ。まここそ寒そう…。」
さりげなくわたしの手をとり、自分のポケットに突っ込む。
「あったかい…。ありがと。」
はるくんにぴったり寄り添って、少しでも暖かいようにしてみる。
「まこはかわいいな。」