またここから −Restart on the Road−
バスの運転手は平謝り。

おかんは悪いのはこの子ですといってオレをゲンコツ。「オレかえ!」。

それでちゃんちゃんかと思っていてたら

晩飯を食べ終わったときくらいに、さっきのバスの運転手が家にやってきた。

オレはガラス戸の裏で横耳を立てていた。

運転手:「今日はほんますいませんでした。」菓子折りをおかんに渡す。

母:「ええんです。うちが悪いので。」

運転手:「そう言ってもらんえるんやったら、うちの会社に電話して上司に
     そう言ってもらえまへんやろか・・・わてそう言ってもらわんと
     クビなってしまう。どうかお願いします。」

おかんは近鉄バスに電話していた。オレは思った。

「あの運転手は悪ない! 悪いのはアホな浩子や! なんでや!」

あとでおかんになんでか聞いた。

母:「運転手さんは一度事故を起こしたら大変なことになるの。」

オレ:「一回でも?」

母:「そうや、まだ運転手になりたいか?」

オレ:「やーめた」



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