またここから −Restart on the Road−
さすがに医者に行くのは慣れているが、今日は怖い。
待合室で待ったいる。なぜか見慣れた外の景色をじっと見ていた。今でもとてもよく覚えている。不安な気持ちそのままなどんより曇った景色。
「まーくーん」看護婦さんも知り合いだ。
「はーい」
診察室に入るといつもどおりにのどを診て、聴診器。
・・・長い。
聴診器がやたら長い。
先生がおもむろに声を出した。
「おかあさん、K医科大学に今から行けますか?」
「はい。なぜですか?」
「いい先生を知っています。入院の用意をしてすぐに行ってください。」