またここから −Restart on the Road−

さすがに医者に行くのは慣れているが、今日は怖い。

待合室で待ったいる。なぜか見慣れた外の景色をじっと見ていた。今でもとてもよく覚えている。不安な気持ちそのままなどんより曇った景色。

「まーくーん」看護婦さんも知り合いだ。

「はーい」

診察室に入るといつもどおりにのどを診て、聴診器。

・・・長い。

聴診器がやたら長い。

先生がおもむろに声を出した。

「おかあさん、K医科大学に今から行けますか?」

「はい。なぜですか?」

「いい先生を知っています。入院の用意をしてすぐに行ってください。」


< 7 / 11 >

この作品をシェア

pagetop