強引彼氏
*毎回同じ台詞ね
――――3日前
私(鈴木瑠香 高校1年)は
付き合って7ヶ月になる
彼氏(山田宏 高校2年)が
いる。
私達は中学の頃から付き
合ったり別れたりを繰り
返してきた。
そして今日....
いつも宏は昼休みに私を
教室まで呼びに来る。
けど今日は今までに一度
だって来た事のない休み
時間に私を呼びに来た。
「瑠香っ!!」
ドアの所にもたれかかっ
て手招きしていた。
「どうしたの??」
私は休み時間に宏が来て
くれた事が嬉しくて、に
やける顔を必死で堪えて
宏の後に付いて行った。
非常階段に入り宏の足が
止まった。
「あのさぁ...」
いつもより低い事
私は ん? と言わんばか
りに笑顔で首を傾げた。
「俺....別れたい。」
突然の事だった。
けど、なぜだかその時は、
分かっていたかのように私
は冷静だった。
なぜだかは分からない。
ただ頭の中がフル回転して
やっぱりね。
なんて答えにたどり着いた
のが早かった。
「好きな子が忘れられない」
毎回お決まりの台詞ね。
だけどなんでかな.....
毎回こんなに苦しいのわ
「ははっ......。
ならその娘とお幸せに。」
そう言って非常階段の
ドアを勢いよくあけ、
教室へと帰った。
まてよっ って声も聞こ
えた。
けど....。きっと流さな
きゃ教室まで帰れなかっ
たに違いない。
教室に帰り、今起きたほ
んの5分程度の事が頭に
収まりきらなくなってき
てしゃがみ込んだ。
床にだんだん水玉の模様
が浮かびはじめた。
パンパンの頭のはじっこ
で、
こんな所で泣くなっ
みんな心配するよ
という声が響く。
ガラガラッとドアを開け
トイレまで走った。
後から友達も心配して付
いてきた。
けどそんなのお構いなし
にわんわんと声をあげて
泣いた。友達の一人が
良く我慢したね。辛かっ
たねっ。て抱きしめてく
れた。
後で先生に呼び出され、
男なんかで授業をさぼる
な。と酷く怒られたが、
すごく楽しくて安心でき
た。