kiss
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なんでため息?

柳くんの行動の意味がわからなくて、首を傾げることしかできない。


「先輩はすげぇきれいです」


「ええっ」


いきなりなに?

お世辞かな?と思ったけど、真っ赤な顔の柳くんを見る限り嘘をついてるようには見えない。

それでも自分自身がきれいだなんてやっぱり思えない。


「…やっぱり自覚ないんですね」


ふわりと柳くんが呆れたように笑う。


「…普通にしていてすげぇきれいなのに…笑うと……」


ぽっと赤かった柳くんの顔がもっと赤くなる。


「……笑うと……すげぇかわいい」


真っ赤な顔をしたまま、まっすぐと私を見つめる瞳にどきどき。


「あの…柳くん」


「なんですか?」


あ、よく見たら…耳も赤い。


「視力…悪い?」


「両目1.2ずつはあります」


あれ、普通にいい。

おかしい。


「先輩。本当に鈍感」


くすりと柳くんがまた笑う。


「……鈍感、じゃない」


ムッとして言い返すと柳くんが一歩私に近づいた。



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