kiss
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『俺を好きになってください』

頭の中でリピートするとぽぽっと体温が上がっていくのがわかった。


「ちょっと待って」


「なんですか?」


「柳くんは、私が好きなの?」


初対面なのにこんな発言信じられない。

柳くんの瞳や表情も声も真剣なのはわかるけど、やっぱり信じがたい。


「正直わかんないです。でも、こんだけ心臓動く相手ってそうそういないと思うんですよね」


柳くんは照れたように笑う。

今の柳くんの発言には少し共感できた。

私もこんなに心臓がドキドキしたのは柳くんが初めて。


「梨麻先輩」


「なに?」


「俺、自信あります」


「なんの?」


「明日…いや今日の夜には先輩を好きになって、頭が先輩でいっぱいになる自信」


この子はなんで躊躇いもなくこんなことが言えるのだろう。

言われたこっちの方が照れてしまう。

そして柳くんの言葉なのか声なのかわからないけど、信じてみようという気になってしまうのが不思議。


「ねぇ」


「なんですか?」


「柳くんは不思議ね」


私がそういうと柳くんは首を傾げた。



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