Touch Me <不定期更新>
地平線へ
ふと見上げた空が
あまりに蒼く澄んでいたから
涙をこらえて見上げた月が
あまりに近かったから
僕はつい
空に向かって
この手を伸ばしてみました
掴んだと思いました
この手の中に
それはもちろん錯覚です
空なんて要らない
バカバカしさに囚われた
不意の瞬間に
少しだけ……
ほんの少しだけ
僕を笑わせる
チッポケな材料になってくれたら
それだけで十分なのです
どれだけ手を伸ばしても
決して届かない天よりも
僕はこのホシが
平らなのだと信じて
遥か向こうで光る地平線を
ひたすら
追いかけていきたい
ピント外れな僕は
今日も明日も
必死に笑おうと
無意味に泣いている