天国に行っても[大幅変更中]
再び、涙を流しそうになった。


やだ、私ってこんなに泣き虫だっけ!?


バカみたい…





ガラッ





「…奈留。まだ泣いてたのか…」


翔…


「…ごめんね。大丈夫」


「なんで謝るんだよ」


「だ、だって…」


私が…ずっと泣いてるから…


「今は存分に泣けよ。そのうち慣れるだろ?」


「翔…っ」


グスッ

優しい…

ほんとに、この人のそばにいてよかった…


私は…幸せ者…だね。


そして、私たちはぎこちなくキスをした。


別に初めてじゃないんだけど、なんだかすごく恥ずかしかったんだ。



「…俺さ、さっきあんなこと言ったけど…」


「…あんなこと?」


「今は存分に泣けってやつ」


「…うん」


「…でも俺…やっぱり奈留には笑っててほしい…」


「うん…」


「それはな、別に無理に笑えって言ってるわけじゃなくてさ。…ただ…」


「ただ…?」


「…俺は奈留が泣いてる顔より笑ってる顔のほうが好きだから。俺はこれからもずっと、奈留を笑わせるよ」


翔が微笑む。


私は涙がとまらなくなった。


「…っ…ありがと…っ」


「うん…」


翔はいつでも私を優しく包んでくれる。


温かい…


ホッとする体温…


…なんだか、眠ってしまいそう…


私がうつらうつらなっていると、翔はまた優しく笑った。


「もう寝ろよ。眠いんだろ?」


「…ん…でも翔は…?」


「俺はここにいるよ」


「…翔も眠らないとダメだよ…」


「…じゃあここで寝るよ」




< 22 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop