【完】冷徹仮面王子と姫。
 あの、超恥ずかしい発言のことかと認識するのには時間は掛からなかった。


 気にするどころか、むしろ。



 ―――あたし、何考えてるの……。



「あぁ…うん」



 高校生の付き合いだし。そういうものかも知れないけど。


 氷室君はあたしのこと、そんなに好きじゃないの―――か、な。


 つい考えてしまった。



「なぁ」


「…どうしたの?」


「することねぇし、DVDでも見るか」



 あたしはこの言葉に頷いた。


 無言で立ち上がった氷室君は、隣の部屋へ移動していく。


 あたしもそれに従うのだけど。



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