【完】冷徹仮面王子と姫。
 あまりに吃驚して、あたしはつい飛び退いた。



「あ……ごめん…っ」



 あくまでも氷室君は、心配してくれてるだけで。


 なのにあたしは、意識しすぎている。


 目を見れなくなった。



「別に。つーか、本当に顔熱くないか?」


「そ、そうですかね」



 何もかも氷室君のせいだなんて、言えない。


 好きすぎて、緊張も意識も半端じゃなくて。


 そんなあたしの頭の中など露知らず。



「帰るか?熱あったらヤバイし」



「え…………っ」



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