【完】冷徹仮面王子と姫。
「顔に出すぎなんだけど」



 ぐしゃっとあたしの頭を一撫でして、あーちゃんは苦笑いした。



「だってぇ……」


「あのね、前にも言ったけど…」



 あたしが思い出すのを待つように言葉をためるあーちゃんだけど、あたしは全く思い出せない。


 色々候補がありすぎる。しかも、丁度これだというものは浮かばず。



「ちょっとは、我慢しなさい」


「我慢って…」



 何も分からない。



 氷室君の言動も、あーちゃんの言う我慢の意味も、さっぱり理解できない。



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