【完】冷徹仮面王子と姫。
 部屋の扉を閉める音に紛れた溜息。


 肺の中に詰まっていた空気を一気に吐き出したような大きな音。


 表情は苦しげで、指先は微かに震えている。


 ソファの肘置きに肘を殆ど固定し、頬杖をついている。


 ただずっと、同じことばかりをぐるぐると考えているようだ。



 何度も…何度も……。



 舌打ちの音が、数秒部屋に響く。


 堂々巡りの思考に、苛々している。



「――俺のせい、か…」



 数十分。


 幾度考えても、同じ答えしか出ない様子で。


 ただ自分の行動を悔いていた。


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