【完】冷徹仮面王子と姫。
「おはよ、一香!」


「おはよあーちゃん」



 やけに高いテンションに、違和感を感じざるをえない。


 後ろから追うようにかかった声も、走ってきたらしく上気した顔も。


 校門の近く、昇降口に向かっている最中のこと。


 いつもより早く目が覚めたため、出発、到着も早く。


 歩いている人や景色が少し違った。



「ねぇ一香っ。今度の日曜さぁ」


「ぁ……っ」



 あーちゃんがいるにも関わらず、あたしの足はそこでしばし竦む。


 釘付けにされた視線。



「―――一香。ね、今度の日曜遊ばない?」


「…っあ、うん!遊ぼっ!」



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