【完】冷徹仮面王子と姫。
 ―――言えない理由。


 ねぇ、あーちゃん。


 それがあるとしたら、その有無すら言えないものだよ?



「何で、」



 目の前のあーちゃんは泣きそうな顔をしていて、



「何で!?あんた王子と付き合ってるんでしょ!!?どうして瀬能のアド……!!!」


「あーちゃんっ」


「もー…いいっ!一香なんて知らない!」



 ―――――言い訳なんて見つからなかった。


 頭がこんがらがって、何も考えられなくなったの。



 あーちゃんだったから。



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