僕に舞い降りた天使


それから10分くらい経って、裕也君が走ってきた。


「ごめんごめん!」


「大丈夫…。それより大翔は?」


「あー…うん」


「何?」


「たぶん、海(うみ)さんのとこ」


「海さん?」


「名前までは聞いてないんだっけ?大翔の元カノ」


「え…!?だって、3年前に死んだって…」


「うん…そう。今日…命日なんだ」


「命日…」


「だから、たぶん墓参りに行ったんだと思う」


「そー…だったんだ」


「ちょっとだけ…話した方がいいのかな」


「え?」


「大翔が海さんと出会う前のこと」


「出会う…前?」


なんだろう…。


裕也君の話しを聞いたら、恋人の死につながる何かもっと大きい…大翔を苦しめてるものがわかる気がした。


「大翔…さ。中2の時、すごい荒れてたんだ」


「え?」


「女遊びしたり、酒飲んだり、煙草吸ったり…」


「大翔が?」


「うん…で、その原因がさ…」





え?




< 122 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop