僕に舞い降りた天使
それから10分くらい経って、裕也君が走ってきた。
「ごめんごめん!」
「大丈夫…。それより大翔は?」
「あー…うん」
「何?」
「たぶん、海(うみ)さんのとこ」
「海さん?」
「名前までは聞いてないんだっけ?大翔の元カノ」
「え…!?だって、3年前に死んだって…」
「うん…そう。今日…命日なんだ」
「命日…」
「だから、たぶん墓参りに行ったんだと思う」
「そー…だったんだ」
「ちょっとだけ…話した方がいいのかな」
「え?」
「大翔が海さんと出会う前のこと」
「出会う…前?」
なんだろう…。
裕也君の話しを聞いたら、恋人の死につながる何かもっと大きい…大翔を苦しめてるものがわかる気がした。
「大翔…さ。中2の時、すごい荒れてたんだ」
「え?」
「女遊びしたり、酒飲んだり、煙草吸ったり…」
「大翔が?」
「うん…で、その原因がさ…」
え?