僕に舞い降りた天使
「3年前の…おっ昨日になったな」
時計は0時を指していた。
「3年前の昨日。大翔の目の前で事故にあって…」
……!!
目の前…。
「最愛の人を目の前で失くした大翔は、それから何やるのも無気力になった」
「……」
言葉がでなかった。
そんなに辛い過去だったの?
そんなに辛い過去を背負っていたの?
私の目からは涙がこぼれた。
「でも、墓参り行ったってことはやっと前に進む決心がついたんだな」
「え?」
「大翔…さ。海さんが死んでから、葬式にもでなかったし、墓参りにも行ってなかったんだ」
え…?
「というか、行けなかったんだろ。行ってしまったら、海さんの死が現実になる。それを認めるのが怖かったんだ」
大翔…。
「まぁ、俺が話せるのはこれくらいかな…」
「…ありがとう。裕也君」
「勝手に話したら怒るかなーとも思ったんだけど、それはそれで良い機会だし」
「?」
「まぁ、ここに行ってみたらそのうち来ると思うよ」
裕也君は私に白い紙を渡した。
そこにはどこかのお店の名前とその行き方の地図が書かれていた。