僕に舞い降りた天使
“佐伯(サエキ)家之墓”とかかれた墓。
墓に水をかけて、花を供えた。
「3年もかかっちゃったけど、元気にしてるか?」
話しかけたって、返事なんかない。
そんなことわかってるんだけど、やっぱりまだ認めたくない。
「海…ごめんな」
俺と出会わなかったら、海は今も…。
俺が…いなかったら…。
そう思ったら目頭が熱くなって、涙が俺の頬を伝った。
すると、ふいに後ろから声をかけられた。
「あなた…大翔くん?」
俺は慌てて涙をふいた。
「あ、はい…」
俺の前には50歳くらいのおばさんが立っていた。
この人…どことなく…。
「そう…あなたが大翔君…。私は、海の母親です」
やっぱり…似てると思った。
目元とか、少し微笑んだ感じとか…。