僕に舞い降りた天使
俺が泣いてる間、おばさんはずっとそばにいてくれた。
海もそうやって何も言わずにそばにいてくれてた。
やっぱり親子なんだなって思う。
「落ち着いた?」
「はい…すみません…」
あとから考えるとものすごく情けない。
「そうやって感情を出すことも大切よ。信頼している人たちには心を開きなさいね」
なんか俺の心の中…全部読まれてるみたいだ。
俺の大切な人にはもう消えてほしくない。
だから俺は誰にも心を開かない。
俺の全部を打ち明ければみんな俺を守ろうとする。
「俺はいつも守られるばかりで、大切な人ほど傷つけてしまうから…」
そうだ。
俺はいつも誰かを傷つけながら生きている。
だから怖いんだ。
これ以上誰も傷つけたくはないのに…。
「大翔君…。人を傷つけずに生きている人なんていないわ」
「え?」
「私もね、海をたくさん傷つけたわ。海が亡くなる前にね、ケンカしてたの」
そういえば…そんなこと言ってた気がする。
「結局仲直りできないままになってしまったわ」
あ…。
「後悔してもしきれないの。なんであんなこと言っちゃったんだろうって…」