僕に舞い降りた天使
「もう謝ることもできないなんて、思ってもいなかった」
俺だってそうだ…。
もう「好きだ」って言えない。
もう「愛してる」って言えない。
もう「ありがとう」って言えない。
「ずっと仲直りしたいって、謝りたいって思ってた。思っていることは口にしないとダメな時もあるの」
「そうですね…」
「大翔君は…好きな人はいるの?」
ドクンッ
「え?好きな人…ですか?」
「海は…もういないからね」
「……。今日…ここに来たのは前に進みたいと思ったからです。支えたい人がいます。いつまでも弱いままじゃ海が安心できないから…」
そう。
強くなりたい。
誰かを守れるくらいに。
「海との恋は良い思い出に変えてあげてね?」
「おばさん…俺…」