僕に舞い降りた天使
おばさんはにっこりと微笑んで去って行った。
「沙希…ありがとう…」
沙希の髪に指を通す。
沙希の寝顔は天使みたいだ。
いや…
俺にとっては本当に天使…。
お前がここに来てくれたから、俺は前に進もうって思えた。
お前がここに来てくれたから、みんなとちゃんと向き合おうって思えた。
お前のおかげで海のことやっと安心させてやれるよ。
ありがとう…。
あとは“あいつ”だ。
俺はケータイを手にとり電話をかけた。
「もしもし…あぁ。そう…河原に来いよ。じゃあな」
「………」
行くか…。