僕に舞い降りた天使
「はぁっ…どこ…!?」
「沙希!!こっち!!」
10分走りっぱなしのあたしは呼吸するのがやっと。
久しぶりにこんなに走った。
「ひろっと、は!?」
「あそこ」
彩加が指指したほうには殴り合ってる大翔と裕也君の姿があった。
「なにやってるの!?早く止めなきゃっ!!」
「待って」
飛び出したいあたしを止める彩加。
「なに!?」
「思う存分やらせてあげようよ」
「え?でも…!!」
「男にはさ、言葉が邪魔な時もあるんだよ」
言葉が邪魔な時…。
「…わかった」
あたしと彩加は殴り合う2人を何も言わずにただ見つめていた。