僕に舞い降りた天使


連れて来られたのは空き教室。


ちょっとほこりっぽい。



「大翔が悩んでるのはあたしのせい?」



「え?」



「告白されて戻って来たのに機嫌悪いのって、なんか珍しいから…」



確かに最近はなかったかもしれない。


前はめんどくさかった呼び出しも嬉しいと感じるようになった。


今日は自分に腹立って機嫌悪かっただけだけどな。



「あたしが言ったこと、迷惑だった?」



「そんなわけないだろ」



そんなわけない。



俺は沙希のことが好きだ。



沙希に言われたことだって俺なりにわかってるつもりだ。



沙希が望んでる答えは一つしかない。





だけど、俺がその答えを出せない理由ってなんだ?



強くなりたいとか、沙希を守りたいとか…。



それだけか?



俺はそのためだけに答えを出せないでいるのか?



俺はふと、店長に言われたことを思い出していた。




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