僕に舞い降りた天使
もう19時か。
「沙希、そろそろ帰るか?」
「そーだね!それじゃあお邪魔しました!」
「おう!また来いよー!」
「またねー!」
部屋を出るとき、裕也が俺に耳打ちした。
『上手くやれよ』
不器用な裕也の精一杯の励ましの言葉だと思う。
そう考えると純粋に嬉しくなった。
俺は
「わかった」
とだけ返して、裕也の家を出た。
これから、俺の気持ちを全部…
沙希に伝える。
返事がどうであれ、後悔はしない。
本当の意味で前に進むんだ。