僕に舞い降りた天使


「冗談だよ」


そう言って沙希から離れた。


「ばかぁ…」


ごめんな。


そこら辺にあったTシャツを着る。


まだ濡れてる俺の髪。


乾かすのめんどい。


「なんか…」


泣きそうになっていた沙希が俺に話しかける。


「何」


「今日おかしいよ大翔」


「……」


「”海”となんか関係あっ…」


ダァンッ


沙希の言葉をさえぎるように俺は壁を叩きつけた。


沙希の体がビクッとしたのがわかった。


「お前には関係ない」


「…ごめん」


俺はきっとひどい男だ。


沙希は何も悪くないのに、怖がらせて、突き放して…。


「悪ぃ。今日はリビングで寝るわ」


バタンッ


部屋から出るとなぜか虚しい気持ちになった。


なにやってんだか。





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