僕に舞い降りた天使
「…あ。大翔、それ取って」
「…ん」
「「……」」
あれから沙希とは必要最低限話してない。
何となく気まずい雰囲気が流れてて話すに話せない。
「あー!!もうなんなんだよ!!俺らがイチャついてる間に何があったんだよ!?」
「…別に」
「あはっ。なんにもないよー」
なんだその作り笑い。
キモすぎだっつの。
「大翔!ちょっと来いよ」
「……」
「彩加そっち頼むな」
「りょーかい☆」
俺は裕也に半ば無理やり連れられて、海の近くまで来ていた。
「はぁ…何があったんだよ」
「…沙希に、大翔は心を開いてないって言われた」
「!!……で?」
「3年前に…大好きな女が死んだって言った」
「そか…それであんな感じなわけ?」
「ん。言わなきゃ良かったかもな」
「”あのこと”は言ってないんだ?」
「…言えねぇよ」