僕に舞い降りた天使
「私、なんとなく大翔と距離がある感じがしてて、一緒に住んでるのに話してくれなくて、なんか悲しくて…。だけど、誰にだって聞かれたくないことくらいあるよね」
「いや…別に…」
そういうわけじゃないんだけど…。
「だから、これで仲直り!!大翔と気まずいのやだよ…」
「…俺もごめんな」
「大翔が謝ることじゃないよっ!!私は大翔にあんな顔させるために聞きたかったわけじゃないから…」
え?
「あんな…顔?」
「すごい泣きそうな顔してた。大翔もあんな顔するんだね!!」
「…俺だって人間だし」
「あははっ!そーだよねぇー!!ごめんごめんっ」
沙希…。
「これでもう仲直りしたよね!!じゃあ、家に帰ろっか」
「そーだな…帰るか」
なんだろうか…。
今まで無表情だったはずなのに、いろいろな表情を沙希に見せてしまっている。
それは俺が前に進んでるから?
それともこいつに甘えてる?