僕に舞い降りた天使
リビングのドアを開けて顔を出したのは、正体不明の女。
少しの沈黙。
きっとその容姿に見とれてしまったんだろう。
1番最初に声を発したのは葵。
「あ…っと起きた?」
「あ、はいっ!なんかご迷惑かけちゃったみたいで…」
「全然気にしてないからっ!一緒にご飯食べよーっ!!」
巧はその女を気に入ったのか背中を押して椅子に座らせた。
そこ俺の場所。
「ねー!名前は?年は?どっから来たの?好きなタイプは!?」
さっそく巧の質問攻め。
最後の関係ねぇだろ…。
「えっと、名前は沙希(サキ)です。年は17歳…」
俺と同い年か。
「あとは…わからないです…」
「わかんない?」
「はい…名字もどこから来たのかも…」
家族全員顔を見合わせる。
「それって…記憶喪失?」
記憶喪失?
マジかよ…。
俺どんな女拾ってきたんだ?