僕に舞い降りた天使


リビングのドアを開けて顔を出したのは、正体不明の女。


少しの沈黙。


きっとその容姿に見とれてしまったんだろう。


1番最初に声を発したのは葵。


「あ…っと起きた?」


「あ、はいっ!なんかご迷惑かけちゃったみたいで…」


「全然気にしてないからっ!一緒にご飯食べよーっ!!」


巧はその女を気に入ったのか背中を押して椅子に座らせた。


そこ俺の場所。


「ねー!名前は?年は?どっから来たの?好きなタイプは!?」


さっそく巧の質問攻め。


最後の関係ねぇだろ…。


「えっと、名前は沙希(サキ)です。年は17歳…」


俺と同い年か。







「あとは…わからないです…」


「わかんない?」


「はい…名字もどこから来たのかも…」


家族全員顔を見合わせる。


「それって…記憶喪失?」


記憶喪失?


マジかよ…。


俺どんな女拾ってきたんだ?




< 9 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop