僕に舞い降りた天使
大切な人
「あちぃー…なんでこんなに暑いんだよ…」
「夏だからじゃない?」
「いや…たぶん…」
「大翔ぉぉぉ!!彩加がぁぁぁっ!!!」
「こいつのせいだ…」
「あはは…」
夏休みも半分が過ぎた。
ただいまバイトの真っ最中。
バイト先はこいつにだけは絶対教えたくなかったのに、沙希がうっかり口を滑らせてしまった。
「で?何があったんだよ?」
「あっ、彩加…がぁっ!しら、知らないお、男とぉ…うわぁぁぁん!!」
「泣きながら話すなよ。何言ってるかわかんねぇよ…」
「うっ…俺嫌われちゃったのかな…」
なんでも裕也は、彩加にデートを断られ、することがなくなったので街をフラフラ歩いていたら、彩加が知らない男と歩いてるのを見て浮気だと思った…らしい。
「でも、彩加ってそんなことする子じゃないと思うけどなぁ…」
俺も沙希の意見に賛成。
こんなばかな裕也だけど、彼女は大切にしてると思う。
可愛い子には可愛いって言うし、とりあえずばかだけど、彩加のことは本当に好きなんだなって伝わってくるし…。
彩加だって、裕也を本気で好きだと思うけど。
「だっ、だだだけどぉ…俺以外の男とデート…うぅ…」
「そーゆーのって、ちゃんと聞いてみないとダメじゃない?」
「聞けるかよ!フラれるのは嫌だぁぁぁーーー!!」
こりゃ話しになんねぇ…。