君のとなり
「――でね、――――なんだよ」


「おぉ…!」


「……あのさ、お二人さん」


二人の会話の区切りを見計らって、シオンは二人に声をかけた。


「詳しく、俺に分かるように教えて頂きたいんだが…」


「……何を?」


「…なんかしてたっけ?」


子供って嫌ッ……!


シオンはこ心の中で泣きながらそう叫んだ。


「ほら…なんか…さっき、インドラが青い顔してただろ?」


「……僕が?」


覚えてないのかよ!?
本当にいまさっきのことだよな!?


「あ、あれじゃないかな、インドラ」


「ん?あれ?あれってどれ?」


「さっきのチャレンジ」


チャレンジ……?


「あぁ、あれか!分かりにくいなぁ~…シオンは」


俺のせいなのかよっ!?


「どれくらいまで息を止めていられるか試してたんだ。そしたらシオンに邪魔された」


後半部分からインドラは口を尖らせながら言った。


「わ、悪い…てか、なんでそんなことしてたんだよ?」


「備えあれば憂いなしだよ、シオン」


お前は本当に子供か。


とりあえず、心の中で突っ込むシオンをアスラはただ静かに見つめていた。


「……アスラ?どした?」


「確かに、出会ってばかりだけど、見捨てるような薄情な人間ではないよ。それに僕達は家族のようなものでしょ?」


「あ、あぁ…悪かったな」


謝ると、アスラは再び笑顔になった。


「…ん?」


待てよ?
確かにアスラを叱ろうとしたし、アスラの人柄を疑ったが、けして言葉にはしなかった。


何故分かった……?
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