君のとなり
「……聞きたい?」


「!?」


再びシオンの思考を詠んだアスラにシオンは驚きを隠せなかった。


「不気味?」


「いや…その」


「変わらない」


シオンが何か言おうと口を開くと、インドラがそう言った。


「変わらない。僕もアスラもシオンも…同じだよ」


「………うん、ありがとう」


「……」


この二人はついさいきん会ってばかりにしては仲が良すぎる。


記憶を失ってもなお、魂が互いにひかれあっているのかもしれない。


「シオンは、気味悪い?」


「……え」


考え事をしていたせいで、アスラの言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。


「そう、じゃなくて………俺の親友もお前みたいなことができたんだ」


「しんゆー…?」


「あぁ…人の心を読めるとかじゃなくて、相手の表情ひとつで何を考えてるのかがわかるんだ」


シオンは昔を思い返すようにアスラとインドラに話した。


「僕と、同じ?」


「あぁ。俺たちは、その力を神に与えられた力だと信じ、神力とよんだ」


「しんりき…」


アスラは自分の胸に手を当てながら、そう呟いた。
< 11 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop