君のとなり

好きになれないもの、嫌いなもの

ゴホンッ


「とりあえず、だ」


シオンは咳ばらいをしたあと、机に置いてあった薄い本をてにとった。


「勉強するぞ!」


「え?」










と、そんな感じで今に至る。


「そんなことより、さっきの親友のこと聞きたい」


「僕も。アスラと同じ力なんでしょ?今はどこにいるの?」


「あ~…また今度な。それより、この世界のことを勉強しとかねぇとな」


「…シオンが知ってるからいい」


「あのなぁ~…」


インドラの言葉にシオンは大きなため息を吐いた。


「俺だって、いつまでも一緒にいられるとは限らないだろ」


シオンは苦笑いしながらそう言った。


「…………勉強、する」


そんな二人を見て、アスラは少し考えた後、そう答えた。


「えぇ~……」


インドラは不服そうに口を尖らせた。


「おぉ、アスラは勉強熱心だなぁ~」


「……知らないことがあるのは、怖いから」


「!」


シオンはアスラの言葉に目を見開いた。


「………」


そんなシオンの反応を、アスラはただ黙って見ていた。





もし、本当に神力という力があるなら、きっと僕の感はあたっている。


でも、それを言葉にするには難しすぎる。

だから、知らなきゃいけない。


知らないことは、怖いこと。
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