君のとなり
「…アスラがするなら僕もする」


インドラも小さくため息を吐き、そう言った。


「よし!んじゃ、まずは世界が3つにわかれる前な」


「わかれるまえ?」


「あぁ。何事にも、始まりがあって終わりがある。何千年も前の話、世界はとても荒れていた。


様々な力、姿形は一緒なのに、不思議な力を持つもの。


殺しが絶えなく、毎日が戦争。


誰かを信じたら、自分が死ぬ。


そんな残酷な世界だった。
人は必ずしも一人で生きていくことは出来ないのに、それを許さない時代だった。


そんな時代の中、異なった力を持つ3人が出会った。


そして、その3人は世界を別れさせ、平和をもたらした。

その者たちのことを勇者と呼ぶものもいれば、創造主というものもいた。


そしてその者たちは主神と崇められ、未来永劫、その者の後継者が世界の王となる。

だが、やはり3つの世界は対立していた。


戦が幾度となく起こり、今の時代を築きあげてきた」


シオンが一段落つき、話を一時中断し、二人を見た。


「僕は、例え今の時代のためにも戦が必要だったとしても、それが良かったとは思えない」


インドラは窓から外を見つめながらそう言った。


「嫌いだな」


そんなインドラにアスラも短くそう言った。
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