君のとなり
「戦だろ?好きなやつなんていねぇよ」


「人が」


「!?…戦じゃなくて、か?」


アスラの言葉にシオンは再び目を見開いた。


「戦を生んだのは人だよ」


アスラの瞳は子供がするような瞳とは掛け離れていた。


「…何故、そこまで人間を嫌う?」


アスラは記憶喪失のはず。
例え何かあって人間嫌いになったとしても覚えてるはずがない。


「心が叫んでる」


「心…?」


アスラの言葉をシオンが聞き返すと静かに頷いた。

「信用するな」


「!」


「裏切った」


シオンの反応を見なかったことにして、アスラは心の奥そこにある言葉を口にした。


「……人間は何故か好きになれない。でも、シオンとインドラは好き」


「……僕も、アスラとシオンは好きだけど主神とか、特別扱いっていうか…そうゆう人、嫌い」


インドラもアスラの言葉の後にそう言った。


「……そう、だな。俺も、嫌いかな」


シオンはそんな二人を見て、苦笑いしながらそう言った。
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