君のとなり
時は数年前に遡る――
「アスラ、お前は次期天界の主神となる。軽薄な行動は慎め」
彼は私の実の父、ソルカ・ヴァルナ。
父と呼ぶことを許されず、日々次期主神として育てられてきた。
「軽薄な行動、ですか……?」
「お前に質問を許した覚えはない。お前はただ返事をしていればいい」
アスラが聞くと、ソルカは即座にそう言って切り捨てた。
「……はい。王様」
「それで良い。余にはまだ仕事がある下がれ」
「失礼、します」
アスラはそう言って、父のいる王の間から出ていった。
「王子様」
部屋を出てすぐに、私を呼ぶ声がした。
「………お前か」
「勉強のお時間です。お早く部屋にお戻り下さい」
そう言ったのは、教育係のアリアだった。
「アリア…今日は休みたい。明日にして」
「なりません」
「僕の言うことが聞けないの!?」
「王子様!私と言わなければならないと何度言えばわかるのです!貴方は王子なのですよ!」
私は泣きそうになった。
何故こんな思いをしなければいけない?
好きで王子になったんじゃない。
泣きたい。
泣き叫びたい。
でも、泣き方なんて忘れてしまった。
「アスラ、お前は次期天界の主神となる。軽薄な行動は慎め」
彼は私の実の父、ソルカ・ヴァルナ。
父と呼ぶことを許されず、日々次期主神として育てられてきた。
「軽薄な行動、ですか……?」
「お前に質問を許した覚えはない。お前はただ返事をしていればいい」
アスラが聞くと、ソルカは即座にそう言って切り捨てた。
「……はい。王様」
「それで良い。余にはまだ仕事がある下がれ」
「失礼、します」
アスラはそう言って、父のいる王の間から出ていった。
「王子様」
部屋を出てすぐに、私を呼ぶ声がした。
「………お前か」
「勉強のお時間です。お早く部屋にお戻り下さい」
そう言ったのは、教育係のアリアだった。
「アリア…今日は休みたい。明日にして」
「なりません」
「僕の言うことが聞けないの!?」
「王子様!私と言わなければならないと何度言えばわかるのです!貴方は王子なのですよ!」
私は泣きそうになった。
何故こんな思いをしなければいけない?
好きで王子になったんじゃない。
泣きたい。
泣き叫びたい。
でも、泣き方なんて忘れてしまった。