君のとなり
「インドラ~!」

外に出てみると、インドラは地面に寝転がっていた。

「……何してんの、お前」

「空を見てた……こんなに近くにあるのに手に届くことはないんだ」

インドラの空を見る儚げな横顔はとても子供がするような顔じゃなかった。

ポンッ

そんなとき、アスラがインドラの方を軽く叩いた。

「?……何?」

「届くよ」

それとは逆にアスラはとても優しい笑みをしながらそう言った。

「記憶がないから、よくわからないけど、昨日、僕たちは出会って、お互いが触れられる距離になった。一緒に遊べるし、話も出来る」

「……?」

インドラはよく意味が分からなく、首を傾けた。

「つまり、届かない距離なんてないってことだよ」

「!……全部、頑張れば届く?」

「もちろん!」

アスラのその言葉でインドラも笑顔になり、ゆっくりと立ち上がった。

「……そういえば、インドラって何?」

「ん?お前の名前だよ。因みにこっちはアスラ。一緒に暮らすのに名前なかったら不便だろ?」

「インドラ……」

「さぁ、アスラ、インドラ、家へ帰ろう」

そういってシオンはアスラとインドラの手を引いて家へと入って行った。
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