君のとなり
「シオンの馬鹿ーーー!!」


振り向いた瞬間、さっきまで青かったはずのインドラはどこにもなく、目の前で叫ばれた。


耳がキーンとして痛かったけど、そんなことよりシオンはフリーズしていた。


俺なんで怒られたの…?


その疑問だけが、シオンの頭の中を占めていた。


「…だから言ったのに」


そんなとき、アスラがボソッと言ったので、シオンの頭にはますますハテナが浮かんだ。


「アスラ、邪魔しちゃ駄目っていったじゃん!!」


「僕は止めたよ?しかも邪魔したのは僕じゃなくてシオンだよ」


「シオンにはちゃんと言ってくれた?話しかけちゃ駄目って」


「うん。今さっき」


「じゃあ、何でシオンは話しかけたんだよ!」

「かまってほしかったんじゃない?あ、でも話しかけちゃ駄目な理由言ってないかも」


「それじゃ伝わんないじゃん!」


「そうかな?そこはテレパシーで…」


「なんだよ、テレパシーって」


「んとね、僕もさっきテレビで知ったんだけどね…」


徐々に話しがずれていってる二人の会話を聞きながら、シオンは状況を整理していた。
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