ー LOTUS ーⅠ
「・・っ、それでも・・あなたが
来てくれたから、あたしは
助かったんです。
智・・妹は、あたしの事を
最期まで気遣って、息を引き
取りました。あのこは、
あなたを責めるなんて絶対
しません。あなたは・・
あたしの命を救って
くれたんですっ。
・・それだけで充分感謝して
います。あなたが責任を
感じる事はありません。」
彼の目を見て那智はそう言うと、
目に涙を溜めながら微笑んだ。