続†素顔の先輩と甘い休息
そっ……そうだ!!
匠先輩への誕生日プレゼント渡さなくちゃ!
今日は、ずっと先輩にドキドキさせられっ放しで、ついつい渡すの忘れそうになるところだったよぉ…。
危ない、危ない……。
「たっ……匠先輩っ!」
歩く足を止めて、先輩を呼び止めると、気付いた先輩もピタリと動きを止めた。
「急に…どうした?」
不思議そうな顔をしながら私を見つめる。
「えっと……、ちょっと待ってて下さい…。」
クルッと先輩に背を向けた私は、バッグの底の方に大切に入れてあった腕時計の入っているラッピングされたケースを、静かに取り出した。