続†素顔の先輩と甘い休息
勉強が好き…とまではいかなくても、匠先輩…秀才だし、昔から勉強してそうな気がしてたけど……違うんだ…。


「勉強するようになったのって、高校入ってからなんだよな…。今の父さんと母さんに…迷惑だけは掛けたくねぇから、将来に向かって勉強は、ちゃんとやっておきたい…って思った。二人には、すごく感謝してるから…。」




机に重なっている参考書を見つめながら話す先輩を見て、あの夏休みの話を思い出していた。


匠先輩の過去…
色々あったんだよね…。


だけど、先輩は前に進んでる…。


今のお父さんやお母さんへの感謝の思いを胸に…頑張ってるんだ…。





「……また泣いてる。」


「へ…?」


顔を上げた瞬間、先輩の指が目元をスッとなぞった。



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