続†素顔の先輩と甘い休息
「……泣かないで下さいよ…。」
頬に一筋つたった涙を拭おうと沖依君は手を伸ばす。
「……やっ!」
その手を払おうとすると、壁へと押さえつけられた。
「あんな…誰にもいい顔する男、最悪だって思いませんか…?旧校舎の部屋も勝手に使ったりして…。理事長の息子ってだけで、何やっても許されるんですね…。得だなぁ…、そういう立場を利用出来るのは…。」
「ちがっ……違うよ…?」
私はフルフルと首を左右に振った。
匠先輩は最悪な人なんかじゃない…。
とても素敵な人…。
それに、立場なんて利用するような人じゃないよ…。