続†素顔の先輩と甘い休息
「……まだ居たのかよ、留羽。」
「“まだ”って……、さっき来たばっかりだぞ?」
留羽先輩は匠先輩の言葉にビックリしながら、ソファーに置いてあったカバンを手にとった。
「んじゃ、俺帰るよ。」
匠先輩にそう言うと、留羽先輩は入口でハァハァ言っている私を見て、ニッコリ笑った。
「匠、朝……全クラス廻って女の子たちにお願いしたんだよ。翠央ちゃんに、自分のこと……あまり聞かないでほしいってね。俺、一緒に廻ったけど、なんか翠央ちゃんのことを大事にしてるんだな〜っていうのが、凄くアイツから伝わってきたよ。」
匠先輩に聞こえないくらいの小さな声で、こっそり教えてくれた留羽先輩は、“じゃあね〜!”って言いながら、足早に部屋を出て行った。