気まぐれなキミ。



彼の本心はずっと隣で育ってきたはずの私にでさえも



全く分からない。





離れてみたり、近づいてみたりと……




気まぐれな猫みたい。





「今日はどうしたのー」


こうやって聞くのも、もう日課となっている。




返ってくる答えは必ず同じだ。




『んー?奈子に会いたかったから』



平気で甘い言葉を、これまた甘い声で囁く。



こういうところが、千秋がモテる理由なんだろうか。



.
< 5 / 45 >

この作品をシェア

pagetop