愛しき子供(きみ)へ
そんな2人が出逢うことができたのは‥‥‥‥

‥‥‥ 高校時代‥‥‥
~音楽室~

♪ピアノの音♪

‐ガラガラ ‐扉が開く

じゅり『あっ…あの‥‥』

♪ピアノの音は流れ続ける♪

私は昔見ていたドラマの中で使われていたサウンドトラックを音楽室で
弾いていた。

中学生の頃に流行ったドラマの中で主人公のピアニストが弾いていた曲。
中学生の頃は難し過ぎて弾けなかったけれど、

高校卒業と同時にずっと習っていたピアノも卒業すると決めていたため。
今年で最後になるピアノの発表会で、どうしても弾きたかった‥ドラマの曲を先生にお願いして
弾かせてもらうことに。
難しいから絶対無理と言われていたけれど、
どうしても弾きたくて、頑張らせてもらうことに。

発表会まで時間がない私は休み時間に音楽室に行き練習する日々。

やっと形になってきたものの‥どうしても上手く弾けない箇所がいくつかあり、
時間がいくつあっても足りないよ。

校舎の一番奥にある音楽室。
音楽の授業が無い時は、人は居ない場所。

太陽の光がポカポカと当たる部屋で、
ちょっとした隠れ家的な場所。

音楽室の真下の中庭で
本を読んでいたじゅり。
中庭は、じゅりの隠れ家でお気に入りの場所。

誰にも見つからず、
格好つけなくて、素のままでいれる学校で唯一の場所。


いつものように本を読んでいると、頭の方から聞いたことのあるピアノの曲が流れてきた。

実はこの曲が流れていたドラマを見てじゅりは、本格的に俳優を目指し始めた。

そのため、いつもなら周りの音なんて気にもとられないのに、つい気になり聞き入ってしまう。

そう‥‥‥難しいと言われている曲だけあり、
なかなか弾いている人をみたことがないのである。

最初は何となく聴いていたのだが‥‥‥‥‥


< 13 / 24 >

この作品をシェア

pagetop