愛しき子供(きみ)へ
その後、何を話したのかは、よく覚えていないけれど…

休み時間いっぱい話しをした。

じゅりは次の日もその次の日も…

そのまた次の日も…
毎日毎日、音楽室に現れては、
ピアノの近くの窓際の席に座り
私の練習を聴いていた。
私もいつしか、じゅりが来てくれることを願い、待っているようになり…
発表会がもっと先に延びれば……………なんて考えるようになっていた。

発表会が終わってしまえば、音楽室でピアノを弾く理由が無くなってしまう。

じゅりとこうして、会えなくなると思うと、
切なくて心が悲しくなった。


音楽室の扉を開けて、飛び込んで来た
じゅりに始めて逢った日から…

私はじゅりに惹かれていたのかもしれない。

気づくと、じゅりが可愛くて、愛おしい存在になっていた。

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