愛しき子供(きみ)へ
‐パタン‐

‐カタカタカタン‐
(階段を下り‥‥‥)

最寄り駅へと走り出す。
‐パサ‐

『あいちゃん!!』
『みーつけた!』

‐ぎゅー‐

走り出した私は誰かに手を掴まれたかと思うと、
ぎゅーと優しく抱きしめられた。

“その声‥‥‥“
“大きな手“
“優しく心地よい、この感じ‥‥“
“懐かしくて‥切なくて“

少し驚いて固まる私の顔を両手で横からギュッと包み込み

『あいちゃん‥‥‥?!
固まりすぎ!!!!!!(笑)
あ~やっと見つけた!』

と私の頬を両手で包み込みながら
そっと額を重ね合わせる。

愛子『じゅり。。。。
みーつけた‥‥‥』

そう‥新幹線に居るはずのじゅりが‥‥‥
目の前に。

泣きそうになりながら

愛子『なんで なんでここに居るの‥‥‥』

『し.ん.か.んせんは?』

じゅり『乗ったよ。
あいちゃんに早く会いたいから三倍速で(笑)』

『あいちゃん‥‥‥ほんま、会いたかった』

『あいちゃんはそんなに急いでどこいくの?(笑)』

愛子『‥‥‥。東京駅。』
『じゅりに会いたくて。。。』

じゅり『‥‥‥
あいちゃん‥‥』


じゅりの顔を見た瞬間
涙が溢れ出す。

人目なんて気にしない

恥ずかしいなんて思う余裕がないくらい

ただひたすらに泣きじゃくる‥‥。

そんな私を愛おしく見つめるじゅり‥‥。


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