カレの弟
わざとヒールの音を鳴らして下りていくのに、彼はこちらを振り向きもしない。


不思議に思い、彼の目の前までいくと驚いた。


寝てるし…………。





「ちょっと流伊くん!こんなとこで寝ないで!」


そう言い流伊くんの体を揺すると、彼は薄く目を開き

「あ、凪……おはよ。」

笑いながら言った。


「呼び捨てにしないでよっ。だいたいなんなのよ!ストーカーみたいな事して!てか、なんで家知ってるのよ!?」


「ストーカー…間違ってないかも♪家知ったのも凪ちゃんつけたからだし♪」


「信じらんない……もういいわ。で、何してるの?」


「一緒に学校行こうと思って♪凪ちゃんが何時に出勤するか分からないから早起きして待ってたんだ~。」



呆れてものも言えない。


とは、こういう状況をいうんだろうな…。


目の前の綺麗な顔を見ながら、そんな事を思っていた。




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