カレの弟
「で、聞きたい事ってなに?」


…そう、わたしただいま西門家にいます。


あの日拓斗と別れたあと、速攻バイト中であろう亮司にメールを打った。


“聞きたいことがあるから、明日亮司のバイトの前に家に行くね”


そして今に至る。


わたしはめったにこんな事をしないため、亮司は若干戸惑い気味。



ひるむな自分!!

と喝を入れ、


「あっ、あのさっ、」


早速声がうらがえったわたしに亮司は驚いていたが、咳払いをして向き直ると亮司も緊張した顔でわたしを見た。


「…あのね、拓斗から聞いたんだけど…。」


切り出した瞬間、亮司の顔が曇った。

でもわたしは構わず続ける。

「みっ…見たって…あの…亮司が、一昨日女の子と歩いてるのを…。」



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