カレの弟
しばしの沈黙の後、口を開いた亮司。


「神田…覚えてる?」


「え…、千鶴?覚えてるよ、もちろん」

千鶴が相手…?

神田千鶴は高3の時のクラスメートだった女の子だ。

わたしと千鶴は仲が良い方ではあったが、卒業後、連絡はとっていない。


「神田は流伊と繋がってるんだ。」


「は…?付き合ってるの?」


「いや…、神田が一方的に流伊を想ってるみたいだ。流伊は神田を利用してる。」


「利用?ちょっと意味がわからない…例えそうであっても、亮司と千鶴が腕組んで歩いてたのとは、全くべつの話でしょ?」


わたしが聞きたいのは、流伊くん達の話じゃないんだ。



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